キズナ~私たちを繋ぐもの~


どうしていつも私はこうなんだろう。

キライ。
どうしようもないほど。

こんな風に弱い自分なんか、大嫌い。


「……アヤ」


小さな、兄の呟き。
背中に回された手に、力が入った。


「お兄ちゃん?」

「アヤ」

「えっ……」


何が起きたか分からない。
私の唇は、兄のそれで塞がれた。

入りこんでくるお酒の匂い。
思わず目をつぶってしまったから兄の表情は見えないけれど、その唇は何度も角度を変えて、私の上に落ちる。


< 130 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop