キズナ~私たちを繋ぐもの~

彼と新生活


 翌朝目が覚めた時、私は司のベッドにいた。
驚いてあたりを見回すと、毛布にくるまれた彼が床で寝ていた。

私は慌てて起き上がると、彼の体を揺すった。


「ご、ごめん。司。寒いのに、風邪ひいちゃう」

「……綾乃? 起きたのか」


彼は無防備に目をこすってにこりと笑った。


「おはよう」

「……おは、よう」

「はは。朝起きた時に綾乃がいるのは久しぶりだ」

「司」

「朝飯、なんか作ろうか?」

「あ、私が作るよ」


立ちあがって小さなキッチンに向かおうとすると、司からタオルを投げられた。


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