キズナ~私たちを繋ぐもの~


「夜景がすごく綺麗だから」

「そうだな。今日は一度にわか雨が降ったから、余計空気が澄んだのかも知れない。
綾乃の事、天気もお祝いしたんだな」

「ふふ。そうかな。嬉しい」


司(つかさ)の言葉に、顔が緩んでくる。

大柄で筋肉質な体に、端正なマスク。
ちょっと出来過ぎな感じのある彼だけれど、照れたように笑うとその完璧さが崩れてホッとする。


夜景が綺麗だと評判な高層ビルのレストランを予約してくれたのは、私の誕生日だからだ。

彼との会話はあまり困らない。

仕事の事や、家での事、そして週末のデートの約束。

話題がどんどん変わるのは、ちょっと間が開くと、彼がすかさず次の話題を提供してくれるからだ。

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