キズナ~私たちを繋ぐもの~
春、新入社員が心躍らせる季節。
今日は綾乃は新入社員の歓迎会で遅い。
つまりは俺も早く帰ったところで一人な訳で。
暇をつぶすために、親友の英治を誘って飲みに来ている。
「だからさ。いい加減素直になればいいと思う訳」
「素直にって何だよ」
英治はウィスキーを3杯目。
今日は飲むぞと決めてきたらしく、出だしから濃厚な酒を飲んでいる。
俺はと言えば、自分から誘ったくせにウーロン茶。
まあ、このブルースバーの雰囲気の中語らうのが好きなだけで、酒はあんまり好きじゃない。
運転役をかって出れば飲まされもしないから気が楽だ。
「俺に綾乃ちゃん紹介しろよ」
「ダメって言ってんだろ」
「じゃあ、お前がモノにしなよ」
「しつこい! 綾乃は妹だって言ってんだろ」