キズナ~私たちを繋ぐもの~

 春、新入社員が心躍らせる季節。

今日は綾乃は新入社員の歓迎会で遅い。
つまりは俺も早く帰ったところで一人な訳で。

暇をつぶすために、親友の英治を誘って飲みに来ている。


「だからさ。いい加減素直になればいいと思う訳」

「素直にって何だよ」


英治はウィスキーを3杯目。
今日は飲むぞと決めてきたらしく、出だしから濃厚な酒を飲んでいる。

俺はと言えば、自分から誘ったくせにウーロン茶。

まあ、このブルースバーの雰囲気の中語らうのが好きなだけで、酒はあんまり好きじゃない。
運転役をかって出れば飲まされもしないから気が楽だ。


「俺に綾乃ちゃん紹介しろよ」

「ダメって言ってんだろ」

「じゃあ、お前がモノにしなよ」

「しつこい! 綾乃は妹だって言ってんだろ」


< 375 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop