キズナ~私たちを繋ぐもの~


「綾乃」

「寒い」

「……シャワーは?」

「いい。寒い、から……」

「……どうしたんだよ」

「なんでもな……」


言葉の最後は、彼の唇で封じられて。
私は必死に彼の背中に手を回す。

何度も重ねられる唇は、やがて深いキスに変わる。
服の中に滑り込んでくる手の感触に、ようやく頭の中が麻痺してくる。


そう、こんな風に。
何も考えたくないの。

目の前のこの人だけを、何も考えずに見ていたいの。
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