キズナ~私たちを繋ぐもの~
ぶつかり合って本音を言ってしまいたい。
優しく頭を撫でられるんじゃなくて、骨が折れそうなほど強く抱きしめられたい。
妹じゃなくて、恋人になりたい。
……私は。
「もう妹でなんかいたくない……」
泥にまみれたような汚い本音は、きっと兄を傷つける。
兄でいて欲しいと願ったのは、8歳の時の私なのに。
だから兄は、今まで必死に兄でいてくれたのに。
その想いを全部台無しにしてしまう。
「お兄ちゃん……」