紙のない手紙
「ボクはあなたがこっちに来てからちゃんと案内するための準備してたっす!なのに、あなたはここにいなかったっす!それもこの人が勝手に連れてったからっす!」











忠時はここぞとばかりにまくし立てたが、リンは動じず、平然と無視を決め込んでいた。











「だいたい、世界案内はボク達死神の仕事っす!手紙屋は手紙届けてればいいっす!それにあんたはいつもいつも…」















「…どうせ、道に迷ってたくせに…」












勢い良くリンを責めていた忠時だったが、リンがそう呟くと一瞬にして、石像のように動かなくなった。









「……ま、まぁ…次からは気を付けるっす…」











忠時は何も聞かなかったかのような態度をとり、リンに背中を向けた。









おいおいおい…ガイドなのに、方向音痴かよ…大丈夫か?
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