琥珀色の誘惑 ―王国編―
「ライラはあなたにどうしろって言ったの? わたしを襲って……」

「違うと言っているだろう! 僕はお前を襲ってなどいない。ライラはお前の乱れた生活ぶりを知り、アルには相応しくないと判断した。だが、誰もお前の本性に気付かない。手遅れになる前に、僕が誘えばお前は喜んで身体を投げ出すだろう、と」

「だから! 何でそうなるのよ!?」

「お前はアルの側近、ターヒルやヤイーシュとも関係したのだろう?」
 

舞は唖然とした。

だが、シャムスの前でターヒルを褒めた件が、彼は既に自分のものだと宣言したように曲解されていた。

おまけにヤイーシュの件も……。

ミシュアル王子に向かって、舞が意味もなくごねたように伝わっているのだ。


舞と関係して、その証拠をミシュアル王子に突きつける。

王宮に忍び込んだことがバレ、自分が処罰されてもミシュアル王子には相応しい結婚をして欲しい。ラシード王子はそう訴える。


「あのねぇ……わたしはイヤって言ったでしょう? それを無理矢理どうにかしたら強姦よ! わたしの“純潔”を奪ったりしたら、アルはあなたを赦さないわよ」

「ま、まさか、純潔など……。だが、アルは妻を奪った男は殺すだろうが、僕がお前の純潔を奪えば……殺すことはないだろう」

「どうして?」


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