琥珀色の誘惑 ―王国編―
「ま、まい……これは一体」

「ゴメンね。わたしが……アルを怒らせたから、わたしのせいなの。だから、アルは謝ったりしないで。本当にごめんなさい」


教義的に、どれほどの罪をヤイーシュが犯したのかはわからない。でも、舞の感覚では、手首を掴みベッドに突き倒したものの、全部誤解だったのだ。

明日にも消えそうな痣のために、人ひとりの首が刎ねられるなんて、冗談じゃない。


ところがこの時、ミシュアル王子は舞の態度にとんでもなく感動していた。

王子の言葉を受け入れ、その上、自分の方が悪かったと舞は謝罪する。その行動は、彼の中の舞を慈しむ想いに拍車を掛けた。


今はまだ、ほんの僅かなズレ。

ふたりはお互いを見つめ合い、幸福な未来に思いを馳せ……専用機はクアルン王国の領空に入った。



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