琥珀色の誘惑 ―王国編―
「舞……もう少し力を抜くのだ」

「こ、これ以上、無理っ」


二人の心と体が充分に高ぶり、ついにミシュアル王子の宝剣が舞の鞘に侵入しようとした。

ところが、何度チャレンジしても入り口すらこじ開けられない。次第に彼も焦り始め、うっかり後方に位置する別の侵入口を突破しそうになる。


「違うっ! アルってば、そこは違うの」

「では、どこだ?」


ミシュアル王子の質問に舞は小さな声で、


「も、もう少し上って言うか……」

「この辺りか?」

「ん、多分……んんっ」


ソコに違いない、と思うのだが、なぜか上手く入らない。力を抜け、体を開けと言われても……無意識なので、舞にはさっぱり判らないのだ。 


「な、何ゆえ入らんのだ!」

「そんなこと、わたしにも判んないよ……」


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