琥珀色の誘惑 ―王国編―
強く抱きしめられた瞬間、バスローブが袖から滑り落ちた。

煌々とした灯りの下、全裸で立つのは少し……いや、かなり恥ずかしい。そう思ったときには王子に横抱きにされ、二人はベッドルームに飛び込んだ。


「アバヤの下に素肌を想像して、人前で欲情しそうだ」


舞をベッドに下ろすと、ミシュアル王子はとんでもないことを言い始める。


「そんなことしたら、宗教警察に逮捕されるんじゃない?」


すると王子はニヤリと笑い、


「そのためのトーブだ。どれほど屹立させても、外からは見えぬ。それに……互いに裾を割れば、いつでも行為に勤しめる」

「し、信じられない! 人前ではキスだって出来ないんでしょ!?」

「人など王太子命令ですぐに追い払う。そうすれば、どこでも後宮と同じ扱いだ。前の王太子はそれを悪用し、アッラーの怒りを受けた。私はその権利を妻と愛し合うために使う。アッラーも必ずやお許しになる」

「妻ならアッラーはお怒りにならないの?」


そんな質問をしながら、舞はミシュアル王子のシャツに手を添えた。


< 416 / 507 >

この作品をシェア

pagetop