琥珀色の誘惑 ―王国編―
片手で舞の胸を、もう一方の手でヒップをなぞりながら、決め付けるように言う。


舞は胸の先端が痛いほど尖ってくるの感じていた。もっと色んな部分に触れて欲しい。そして、彼の裸の胸に触れたいとすら思う。

全部、ミシュアル王子のせいだ。

こんなふうに男性から情熱的に求められ、応じる日が来るなんて奇跡に思える。

日本に居た時は、舞には想像の中の王子様しかいなかった。それが、突然現れた本物の王子様と恋に落ち、舞の心も人生も劇的に変わったのだ。

女としての自信がつき、求められることを心待ちにするくらいに。


「アルが正直に言うなら……わたしも言ってもいい」


微妙な返事にミシュアル王子は口元を歪ませた。


「無論、期待していた。バスルームに入り込みたいのを必死で耐えたのだ。――舞、お前の湯上りの肌は素晴らしい。水分を得て、しっとりと潤っている。ベルベットのような肌触りだ。私のためだと言え。私のために、この肌を磨き上げたのだ、と」

苦笑いを浮かべて、そんな本心を吐露する。

彼の“期待”はスラックス越しにも判るほど、猛々しく主張していた。


「わたしも、期待してたよ。何だか変なの……アルの傍に居たくて。ずっと、触れていて欲しくて……アル、好きって言って。愛してる、わたしが欲しいって」

「欲しい……立ったままでも、床の上でもお前を奪ってしまいそうだ。舞、お前を愛している」


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