琥珀色の誘惑 ―王国編―
これまで見たことがないくらい、ミシュアル王子の瞳が深い琥珀の色に艶めいている。間近で見ると、怖いほどの迫力だ。しかも……しかも、である。

ミシュアル王子は舞の手を取り、なんと自分の体に押し付けた。

舞は白いトーブの上から彼の体を掴み……そう掴んでしまったのだ!

堪えようのない“情熱の塊”に触れた瞬間、舞の頭は真っ白になる。


「ああ……もう、ダメだ! お前の全てが欲しいっ!」


ミシュアル王子はそう叫ぶと、ワンピースの肩紐をずらし、舞の薄っすらと上気する肌に唇を寄せた。鎖骨の下辺りに口づけ、そのまま柔らかい山の頂を目指そうと……。


「きゃ……きゃあっ! もうっ、アルの馬鹿! エッチ、変態、スケベ!」


掴んだモノを離すと、舞はミシュアル王子から逃れようと身をよじった。

ふたりがいるのはソファの上。そこは座って愛を語らう場所で、体に触れて確かめ合う場所ではない。ミシュアル王子は、ソファとテーブルの間に挟まるように舞の上から滑り落ちた。

ベッドルームに派手な音が響き、僅かに機体が揺れる。


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