こちらミクモ探偵事務所4
「家族が危険な目に遭ってるのに、何一つ守れなくて……」
「しょうがないよ。だって、お父さん偉い人だもん!」
「でも……」
「私、お父さんを誇りに思ってる。だからそんな顔しないで!
そもそも、事件に首突っ込んだ私が原因なんだから。それに今生きてるんだからいいじゃん!」
龍二の背中に手を回し、嬉しそうに笑う羽兎。
やがて、二人は体を離した。
「……で、紘哉さんは?」
ずっと気になっていたことだ。
部屋を見回すが、どこにも紘哉の姿が見当たらない。