☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「ひ、翡翠!」
「なんだよ………」
「章ちゃんは……!」
珠莉は慌てたように弁解をしようとする。
だけど………
「んなこと……知らねぇ男の話なんか聞きたくねぇよ。
言い訳もすんな………」
余裕も持つことの出来ない俺は、珠莉の話を聞くことも出来ずに、リビングを出た。
珠莉を失うかもしれないという焦りと、知らない男と一緒にいたことの嫉妬が俺の中をグルグルと駆け回る。
イライラしながら寝室に行きスーツから私服に着替え、家を出た。
今一緒にいても、話を出来る状態じゃねぇ。
車を出して昔よく来ていたクラブに足を運んだ。
珠莉と出会う前はよくここに来て、女を捕まえて夜を楽しんでた。
今はそんなことはないが。
「あら〜翡翠さん、お久しぶりね〜。
最近全然来ないから心配しちゃったわ〜」
そう言ったのはここのバーで働いてるオカマ。
最初は拒否してたけど、結構話しやすいやつで、時々こいつに愚痴をこぼしていた。
「なに〜?彼女でも出来たわけ〜?」
そう言いながら俺の好みの酒を出してくるあたりはさすがだな。