吐息が愛を教えてくれました


今がまさにその時期のような気がする。

バイト先のお客さんに誘われて合コンに参加していることだって、私の傍らで電話で友達と話している内容から、筒抜けだし。

本当、合コンに行ってること、隠すつもりがあるのかないのか。

ツメが甘いのは高校の時から変わらない。

「千早、今まで、ありがとう。事故のあと、立ち直れたのは大好きな千早が私を大切にしてくれたから。
片方の耳が聞こえなくなっても、それと引き換えに千早が側にいてくれて、嬉しかったし、夢のようだった。
高校時代、千早がバスケ部のマネージャーの女の子のことが好きだったって知ってたのに、私が弱くて、解放してあげられなくてごめんね」

「は?マネージャー?」

「そうだよ。名前は忘れちゃったけど、ポニーテールが似合ってた可愛らしい女の子。
金曜日に千早がぶら下げてた女の子に似ていたような気がする」

不本意ながら、拗ねた声が出てしまったけど、言わずにはいられなかった。

千早が好むタイプの女の子って、みんな似てるし、それに私は当てはまらないから、何度も切ない思いをしたし。

つい、言ってしまった。



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