花咲く原石
目の前が真っ暗になったなんて言っていられなかった。

ダイドンはきっとこの時を待っていたのだと安易に想像が出来るくらい、オーハルは彼らの近くにいたのだから。

シイラを守る。

全てはシイラの為にダイドンとオーハルは動いてきた。

その終着点、中央区の門がある緑の旗が目の前に見えている。

あそこをくぐればシイラは救われるのだ。

あと少しなのだ。



ここで邪魔をされるわけにはいかない。

その思いでオーハルは拘束されていた両腕を振りほどこうと力を入れた時だった。


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