花咲く原石
もうシイラの目に迷いの色は見られなかった。

「この先はどうする?中央区に行くか、東に行くか。」

リトはシイラに投げかけた。

東、その言葉に笑ってしまいそうになる。

それはダイドンとオーハルがついた嘘なのに。

「そうだね。」

正直、こんなにすぐに気持ちの整理がつく訳なかった。

分からないことも、納得いかないことも、中途半端な部分もたくさんある。

でも、立ち止まる理由はない。

横にそびえ立つ白く高い壁を見上げて何を思おう。

初めて見たときより少し近くなった緑の旗が風に揺れている。

前へ進めと言われている気がした。

「中央区へ。」

心は決まった。

シイラの言葉にオーハルが微笑む。

穏やかな時間に風が背中を押してくれた気がした。

「歓迎する。シイラ、オーハル。」

凛々しい表情で微笑むとリトは歩き始めた。



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