嘘つきな君からのキス
私は所謂彼の抱き枕なのだろうか。それにしては……
「く、るしいっ……よ」
キツくて痛い。それを伝えると少し緩まる腕。
ようやく息を吐き出せば聞こえる鼓動。自分のではない。三神くんの。
ううん。私のだった?……分からない。
「逢坂」
「は、はい!?」
上から聞こえる声にピクリと体を揺らす。一瞬意識が飛びかけていた。
「……行きたいなら行けばいいよ」
精神的な話ではないく物理的な話で、連れ出しておいてのセリフではない。
「寝るから勝手にどーぞ」
けれど彼は私が行く事を望んでいない。どうでもいいなら最初から連れ出す意味などないのだから。