嘘つきな君からのキス


相変わらず歪んだ音を立てる扉を開け中に足を踏み入れると先生もいなく、カーテンも開け放たれている無人の保健室。


「知ってた?今の時間、先生は少しだけ席を外す事」


特等席を目指す足を動かしながら三神くんはそう言った。

先生がいないと知りながらここに来るなんて、ますます意味が分からない。


「み、三神くん。どうしてここに?何処か悪いの?」

「どこも悪くないし、当然逢坂も悪くない」


そうでしょと言わんばかりの声音。

じゃあ。と明確になっていない理由を聞くことはもはや出来なかった。


「はい、おやすみ」

「わ、わ、きゃっ!?」


また!?
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