嘘つきな君からのキス
――
常連と言っても、ここに居るのに慣れていても、自分の家でない以上眠りが浅いのはどうにもならない事だ。
歪んだ音を立てる扉が開いて目を醒ましてしまう。
「ん……」
小さく声を漏らして見えたのは白いシャツ。
誰の?それは……
「しー」
声をあげるのが予想されてしまったのか先手を打たれて軽く口を塞がれる。
ああ、私授業サボったんだ。
暢気に考えて居たところに声。
「誰か寝ているのかしら……」
それは独り言のようで、此方に向けられているようでもある
。
今、カーテンを開かれてしまえば非常に危険だ。それを察知し、視線をやや上に上げると同時に口の閉鎖は解かれた。