嘘つきな君からのキス


――


三神くんはどうしてあんなにも唐突にあんな事をしてくるのか。と自席に座り真剣に頭を悩ませていた時。


「あれー?玲雨いいもん持ってるね。一個ちょーだい」

「だ、駄目!」


机に置いたままの例のお菓子を取られそうになり、死守する。

一杯あるのだから良い筈なのに取られないように手の内に。

自分的に大きな声を出してしまい、それについても怪しまれないかと朱の目を見ながらビクビクする。


「……珍しいね?普段お菓子とか残す方なのに」

「う、うん」

「ま、いっか」


色々と突っ込まれない事に安堵し、それを机の傍らに置いた後「あ、」と声を漏らした。






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