嘘つきな君からのキス


解放されてから、私も一応確認の為に覗き込む。相変わらず話し込んでいる様子。此方にも全く気付いていないようだ。

なら、今は。


「な、鳴瀬くん。いつからここに?」

「さっきーー。なーんか面白そうな事してるなぁって思ってぇ。ゆずるん観察中?」


どうやら、もうすでに見抜かれているようだった。

流石なのか何なのか。とりあえず何でも良いから口止めはしておかないといけない。


「この事は、三神くんには……」

「あ、言わない言わない」


軽やかな返事だったが話が早いようで助かる。一応はホッと溜め息を吐いた。





< 82 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop