天使がくれたもの(全編公開にします)
イルカショーなどの水しぶきに、笑い声が絶えない。

純子は伸哉のあとを追うようにはしゃぎ回り、舞は勇心と2人で笑い合っていた。

・・・昨日の涙などなかったかのように。


「・・・2人一組やってさ」


動物をじかに感じられるサファリ施設。

カート乗り場の看板を眺め、声をかける伸哉。


「どうする? 男女分かれる?」


3人に問いかける伸哉の言葉に何か言いたげな純子。

純子の気持ちは、もう舞と勇心には伝わっている。


「男2人で動物見るのも・・・気持ち悪いやろ」


勇心は純子のために、気をきかせた。

パッと笑顔を取り戻す彼女を見て、クスクスと笑う舞。

男女となれば、自然に2人組みが決まる4人。

伸哉とうれしそうに出発する純子を見て、2人はほほ笑ましい表情になる。
< 164 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop