シークレットな極上LOVE


彰斗が出て行った部屋は事のほか静かで、あたしの正面のソファーに座った風香さんからは、“あの香水”の匂いがする。



「ここのセキュリティ、顔パスがきくから便利よね」


緊張でいっぱいのあたしとは違って、風香さんは余裕たっぷりだ。


そっか。ずっと出入りしていたんだもんね。


フロントの人には、風香さんは見慣れているんだ。


もちろん、あたしも今は顔パスがきく。



「彰くんから、聞いてたの。あなたの事は」


“彰くん”


そう呼ぶ人は、今まで会った事がない。


いかに風香さんと親密だったかが、よく分かるわ。


「どんな風に聞いているんですか?」


そう聞くと、風香さんはニヤッと笑った。


「行きずりで付き合っちゃった人。公園で会った時、社員証の名前であなただと分かったわよ」




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