シークレットな極上LOVE
「ああ、社長!資料、ありがとうございました。お陰で早く仕事が終わりそうです」
ニコニコ顔で、お局さまは資料を抱えたまま、彰斗さんの側へ行った。
「それは良かった。さっき偶然、彼女に会ったので」
そう言って、チラッとあたしを見る。
こんな時、愛想良く「そうなんです」って言えればいいのに、まだまだ未熟なあたしは、恥ずかしさで目をそらしちゃった。
「そうだったんですか。ありがとうございます。ところで社長、何かご用件で?」
今、この瞬間だけ、お局様がいてくれて良かったと思う。
あたしじゃ、間が持たない。
「ああ、これ。資料に添付する用紙を、渡し忘れてたから」
「そんな事でしたら、呼んでくだされば、行きましたのに」
「いいよ。はい課長。あんまり、新人ちゃんたちをイジメないように」
「まあ、人聞きの悪い」
膨れっ面をするお局様に笑いながら、彰斗さんは戻って行った。