ふたり。-Triangle Love の果てに

~片桐真琴~


…信じられない。


お兄ちゃんがこんなことするなんて…


信じたくもない。


戸籍謄本を見た時、心臓が止まるほどのショックを受けた。


だけどどこかで「ああ、やっぱり」って思ってる自分がいた。


だって私たちは顔も全然似てないし、千春さんの態度も何となく思わせぶりだったから。


その上両親が亡くなった時、私を引き取ってもいいという親戚はいたけれど、お兄ちゃんだけは施設に、という声があがっていた。


思春期で育てにくい時期だったからだろう、と後になって自分をそう納得させたこともあったけれど、そうではなかったのね。


お兄ちゃんは養子だから。


片桐家とは何の繋がりもないから。


それで親戚はお兄ちゃんを引き取りたくなかったんだ。


赤の他人、だから。


そして、私は親戚に、お兄ちゃんは施設に…


別々に暮らし始めた私たち。


あの頃は、お兄ちゃんがいないことが


寂しくて、不安で、怖くて…


何度も家を抜け出してお兄ちゃんのいる施設に会いに行こうとしたか。


でもそのたびに連れ戻されて。


そんな幼い私ができることは、「お兄ちゃんと一緒じゃなきゃヤダ」と言って、ご飯を食べないことだった。


そんな手段に出た私を、困り果てた親戚たちはとうとう「なつみ園」に入所させた。


お兄ちゃんと一緒、それが嬉しくて嬉しくて。


お兄ちゃんがそばにいてくれたら、きっと何があっても大丈夫、って思った。

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