ふたり。-Triangle Love の果てに

だめよ、泰兄。


こんなに私を泣かせるなんて。


せっかくのメイクがドロドロじゃない。


一番きれいな私を見て欲しかったのに。


昔から意地悪を言って、私を怒らせたり泣かせたりしたのに。


今はこんな幸せで素敵な言葉で泣かせるなんて…


反則よ、ズルいわ。


前みたいに意地悪言ってくれなきゃ、調子が狂っちゃう。


「おまえがつらい時にこうやって抱きしめてやることができなかった。だが、これからはいつだってこうしてやる」


ほら、また…


でも私には最高のプレゼント、


一生の宝物。


「さっきの言葉で、ひとつ間違ってることがあるわ」


そんな私に、片方の眉だけをぴくりと動かす彼。


「抱きしめてやれなかった、だなんて…そんなことなかったわ。たとえどんなに遠く離れていても、あなたは私の心をいつも抱きしめていてくれた。だから私は待っていられたのよ」


「マコ」


彼が私を胸に押し当てた。


「愛してる」


「私も愛してるわ」


「おまえと共に生きることを誓う」


「あなたと共に生きることを誓う」


たとえどんな未来が待ち受けていようとも、私はあなたを愛していくことを約束する。


いつまでも、変わらずに…
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