妖(あやかし)狩り・弐~右丸VSそはや丸~
「少し前からです。いきなり身体が痛くなることがあって。でもしばらくすると治ってました。今のように酷いのは、初めてです」

「ふ~む、悪化してるな。よく考えれば、さっきまで喋ってた烏丸も、完全に前には出て来られなかったようだな。身体を動かすことは、できなかったようだし」

 普通烏丸が前面に出れば、右丸は完全に意識を失い、烏丸が身体を動かす。
 表情も烏丸のものになる。

 だが先程までは、烏丸が喋っていても、表情は右丸だった。
 烏丸があれだけ元気なら、普通に入れ替われば右丸の身体ぐらい動かすことができるはずなのだ。

「そうか。烏丸がお前の身体を動かせる状態なら、自分で蓮台野まで来るだろうな」

「ええっ、そ、そんな、私が自ら呉羽様のところに行くなどっ」

「・・・・・・お前じゃない。烏丸だ」

 さっきも同じ事を言ったなぁ、と思いつつ、そはや丸は素っ気なく答えた。

「どうやら同化もできないが、かといって分離もできない状態か。・・・・・・厄介だな」

 一瞬でも分離できれば、その隙に烏丸と右丸の繋がりを絶てばいい。
 長く同化していたものは、お互いを繋ぐ気が強くなる。
 それを絶ってしまえば、烏天狗の妖力を持ってすれば、不用意に再び身の内に引き込まれることもない。

 そはや丸は太刀だ。
 斬るのは得意である。
 だが、事態はそう簡単ではないようだ。
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