未来Magic
1・これが当たり前の日々で
むかしむかし、あるところに。
目をみると石にさせてしまう、化け物がいました。

「いやっ!目をみてはいけない!」
嫌がる女性を無理やり押さえ、眼帯をとる人間。
「そんなの信じられないっての」
「あっあっ・・・」
その瞬間、目が怪しく光りだす――。
「うわあああっ」

でも、その化け物は人間の姿をしている訳で。

「こんにちは」
「あら、こんにちは。目、どうされたの?」
「いえ・・・なんでもないんです」

見分ける方法はただ1つ。
“赤い目”をしているということだけで。
普通、眼帯か何かで隠しているのです。
石になるのを恐れた人間たちは、その一族を森の奥に追いやってしまいました。

その一族の思いさえも知らない、愚かなその時代の人間のせいで――。
本当の“化け物”が生み出されてしまったのです。
やがて人間たちはその一族を忘れ去り・・・。
物語の中の存在にしてしまいました。
まあ、そのあたりの人の一部の人間は知っているが。
――さあ、その化け物の子孫は狂わされた人生をどう生きるのか?

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