姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った


より好みならば生かすだろう、面白くないならば切り捨て、興味もないなら見向きもしない。


「だからこそ、僕は神なんだよ。だから人を救わない。人は所詮、遊ぶためのものだから。まあ、救うとしたら遊びの一貫だろうね。

ただ救うとした気持ちはまったくなく、僕がそちらの方が“面白そう”と思っただけ。君みたいに、誰これ構わず救いたいとは思わないよ。そうして、なぜ人の死で遊ばないのかが分からない」


カップが空になったか、茶神が誰もいない傍らに空のそれを掲げた。


無くなったから注げとした無言の素振りは姫に向けられたわけではなく、逆らえないピエロに任せた。


どこから来たのか、腰を低くした笑顔を貼り付けた人間が茶神のカップに紅茶を注ぐ。


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