姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った


「それは苦悩ではありません、単なるワガママですよ。自業自得に可哀想など思いませんが――まあ、でも。見つけたら、その方とこうして気ままなお茶をしましょうかね」


それが彼女なりの手の差しのべ方だと微笑まれた。


「人が人を救うには限界があります。けど私はできうるだけのことはしたい。些細でも、その人のためになるならやります。目につく全て、手を出したいと思うがままにできることを。

その後にどうするかはその人に任せますよ。私がやれることをしたところで、明日を生きるかを決めるのはその人自身ですから。

私は街灯です。真っ暗な道を照らすだけで、その人の行き先は示すも、進行方向までは変えられませんから」


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