無口な彼が残業する理由 新装版

「ああー、俺はこれから丸山に敗れた男として更なる哀れみの視線を――……」

青木がまだ何かを言っているけれど、

私はぼんやり考えていた。

丸山くんの夢が叶うまであとどれくらいかわからないけれど、

それまでに私も夢を叶えていたい。

丸山くんが恋愛を絶ってまで叶えたい夢があるなら

私だって応援したい気持ちがある。

丸山くんが、私を応援してくれているように。

ただ、願わくば、

心変わりしませんように。

「さ、仕事しようっと」

「お前俺の話聞いてなかったろ」

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