無口な彼が残業する理由 新装版
「ちなみに俺がお前のこと好きなのも、周知の事実なんだよ」
「嘘ばっか」
「嘘じゃねーし。それなのに二人とも相手にされてないから、周囲からの哀れみの視線が痛くて痛くて――……」
泣き真似をする青木は、すっかり元の青木に戻っている。
「そんなの、私が何だか魔性の女みたいじゃん」
「魔性とか自分で言うなキモい。鈍感バカ」
「お口が悪いわよ、青木くん」
青木はフンと鼻を鳴らした。
元通りどころか、態度の悪さがエスカレートしている。
「仕事ばっかやってるから気付かないんだろ」
それに関しては言い返せない。
でも、とりあえず。
両思いってことで、いいみたい。