無口な彼が残業する理由 新装版

私は途端に楽しくなって、勧められるままにビールを飲みまくる。

「丸山さーん」

横で甘えた声を出されたって気にならない。

「ちょっと菊池さん! ダメです! ズボンはマズいっす!」

青木が菊池さんに上半身を剥がされていたって気にならない。

下も脱がされそうになっているけどどうってことない。

「丸山さんも、大地先輩って呼んでもいいですか?」

「別に」

丸山くんが名前で呼ばれていたって……。

「じゃあ、大地先輩。この後、予定とかあります?」

可愛い後輩に誘われていたって……。

「別に」

気にならないわけがないでしょう。

私は青木が脱がされそうになっている方に目を向けつつ、

耳はしっかり丸山君と愛華ちゃんの方へ傾けた。

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