無口な彼が残業する理由 新装版




「僕は、先程の方のように明確で大きな目標を立てるのが苦手です。しかし、細かい目標を立て、実行していくのは得意です。だから、例えば彼女の企画が成功するようにサポートしたい」



思い出した。

あの声だ。

「中高生はパケット定額制の料金プランを利用していない子が多いようなので——」

あの時の彼は、丸山くんだったんだ。

私は目に溜まる涙をグッとこらえて、

丸山くんが作ってくれたサイトに目を移す。

「彼女の企画が成功するようにサポートしたい」

丸山くんの夢って、もしかして。

これこそ本当に、思い上がりかもしれないけれど。

「今は、ダメ」

私を拒否したのも、

「ええ。僕が欲張ると、全てが上手くいかなくて」

こう考えたからなの?



ねえ、丸山くん——……


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