無口な彼が残業する理由 新装版
頭を上げて、ネット事業部のみんなを
「お疲れ様でした」
と言いながら送り出して。
部屋に私たち三人になったところで
私の緊張の糸が切れた。
「はあぁぁぁ……」
張り詰めていた気が抜けて、
椅子に座り机に突っ伏す。
「ははは、緊張しただろ」
間抜けな私を課長がからかう。
「しましたよー。なんだか命を賭けている気分でした」
「企画を出すってのは、そういうことなんだよ」
余った資料をトントンと揃え、
ノートパソコンをパタンと閉じる。
「それじゃ、俺はこれで」
私も戻ろう。
立ち上がると視線で待ったをかけられた。
「丸山に言いたいこともあるだろう?」