無口な彼が残業する理由 新装版
丸山くんはハハッと笑って、
「神坂さんが、初めて企画書を出した日から」
と答えた。
初めて出したときって、どういうこと?
もう一ヶ月半くらい前じゃない。
「どうして……」
私が何かを企画していることはみんな知っていたけれど、
その内容までは知らなかったはずなのに。
「課長のデスクに置いてたあの企画書、読んだんだ」
「読んだ?」
「ああ、大体の趣旨はわかったから、それからすぐ作り始めた」
それからすぐって、もしかして。
「ひょっとして、毎日残業してたのは」
「神坂さんのサイト、作ってた」
毎日遅くまで大変だなって思ってた。
担当しているサイトのデザインに苦戦してるんだと思ってた。
違ったんだ。
「例えば彼女の企画が成功するようにサポートしたい」
私の企画を、ずっとずっとサポートしてくれていたんだね。