無口な彼が残業する理由 新装版

うじうじ悩んでいても仕方がない。

私は早々に丸山くんに相談することにした。

「というわけで、青木と出張に行くことになりました」

丸山くんは眉間にしわを寄せて、どうやら少し不機嫌な様子。

想像通り。

「そう」

コメントはこれだけだった。

「それでね、せっかく行くんだから自腹でもう一泊か二泊して、観光してから帰ろうと思ってるんだけど」

遠慮がちにそう言うと、丸山くんの眉間のしわが深くなった。

「青木と?」

「違うよ!」

そんなつもりないんだよ。

だけど青木も同じこと考えるかもしれない。

丸山くんは不機嫌な顔のままだ。

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