無口な彼が残業する理由 新装版
「ご検討、よろしくお願いします。良い返事を期待してますね」
私なりの精一杯の営業スマイルを向けると、
相手の企業の人もにっこり笑ってくれた。
出張三日目、金曜日。
時間はもう午後7時を回っていた。
予定していた最後の企業を回り終えた。
来週には返事がもらえるだろう。
私ができることは全てやった。
これでスポンサーが集まらなかったら……
いや、考えるのはやめておこう。
サポートに付いてくれた青木も、さすがに疲れの色を見せている。
「飯、行くか」
「うん」