無口な彼が残業する理由 新装版

「言ったよね」

「え?」

「絶対に諦めんなって」

丸山くんの静かな声が、二人だけのオフィスにしんと響いた。

「それから、もっと頼れって」

「……うん」

付き合う前の様々な出来事を思い出して、

胸がキュンとした。

この企画の軌跡は、私が丸山くんに恋をした軌跡でもある。

「俺、男としては頼りないかもしれないけど、仕事では頼れるウェブデザイナーだと思ってる」

それは、私だってちゃんとわかってるよ。

「丸山くん……」

「そして、俺の仕事はページを作ることだけじゃないとも思ってる」

「え?」

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