無口な彼が残業する理由 新装版
胸がざわつく。
大変なことって、一体何?
今日は部課長会議で課長以上の偉い人たちはいないし、
朝からスーツだった丸山くんも、出席させられていると思われる。
そういえば菊池さんもいない。
いつもより人が少なく、がらんとしたオフィス。
愛華ちゃんとだけ目が合った。
「いいから、早く来いって」
青木に促されるまま、私はいつかの会議室に連れてこられた。
ここでは今、部課長会議が行われているはず。
不安が一気に押し寄せる。
「ねぇ、青木。一体何があったの?」
青木は何も言わず、緩んだネクタイを締め直す。
「青木?」
「神坂。悔しいけど、お前の選択は正しかったんだよ」
「はぁ?」
「丸山のこと」