無口な彼が残業する理由 新装版

謎は残るものの丸山くんのキスですっかり立ち直った……いやむしろテンションの上がりきった私は、

あの若作りチャラメガネ課長をギャフンと言わせるべく、

青木の小言を華麗にスルーしながら今日も仕事に精を出している。

「だいぶイイ感じになってきたじゃーん」

という声に振り向くと、菊池さんが覗きに来ていた。

今日のピアスはゴールドのフープタイプだ。

「当たり前っすよ。俺が手伝ってるんすから」

「ありがとうございます」

青木の言葉をスルーして素直にお礼を述べる。

「そろそろうちにページデザインの依頼が来るかな?」

「そうしたいところなんですけど、まずは課長のOKを貰わないと」

それまでがなかなか大変なのだ。

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