【完】君しかいらない
あっくんとは、手を繋いだことしかないし…



こうやって、肩にもたれたりすることも、なかった。


そう思うと、自然にこういうことができてるってことは…


奏太くんに、惹かれてるってことなのかな…。










昨日…


遊園地の観覧車で、奏太くんになぐさめてもらった。


泣きまくって…


結局涙が止まらないから、もう一周したんだよね。


もう一度頂上に着く頃には、なんだかすごく冷静になってて…。


泣いてる自分や、奏太くんにしがみついてることが、すごく恥ずかしくなってきたんだ。



だけど、奏太くんはあたしのそれを察してくれて、


『今は、顔…無理に上げなくていーよ。

落ち着いたら…俺の目をちゃんと見てくれよな。前向いて、いい顔見せて』


って、言ってくれたんだ。







確実に奏太くんの顔が見れない…って思ってたから、すごくホッとした。


観覧車から降りるときには、奏太くんの腕にしがみついて、顔を隠すようにしてた。



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