【完】君しかいらない
眠れない夜
あたしと奏太くんを乗せた新幹線が、地元の駅に到着する。



あたしの手は、ずっと奏太くんにつながれたままで……。



“好きなのかも”って思っただけで、顔が赤くなる。



あたし……重症だぁ。



今までこんな風になったことなんてないのに。



恥ずかしいから、しばらく寝たフリをしてたあたし。



駅に到着する前のアナウンスが流れる頃、奏太くんにそっと起こされた。










「愛梨ちゃん……降りるよ」



ふぁっ!



耳元でそっと囁くから、ドキドキしちゃう。



お願いだから、普通に起こしてよ~。



そうは思うものの、寝たフリしてたからね。



今起きた、みたいな顔であたしはそっと目を開けた。



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