【完】君しかいらない
ん……だけど、これ以上一緒にいるのは、あたしの緊張の限界かも……。



だって奏太くん、全然手を離してくれないんだもん。



「思ったより早かったね」



「そだな~。愛梨ちゃん、一回家に戻って荷物置いてさ、また出て来れる?」



「えっ?」



「飯食いに行かね?」



うわぁっ!あたしと同じこと思ってたんだ!



「えーと、えーと。久しぶりだから、お母さんにご飯準備してもらってるんだよね……どうしようかな~」



ホントはお母さんにはご飯の話はしてない。



帰ればとりあえず食べるものはあるだろうから、あたしは適当なことを口走った。








そしたら奏太くんは、少しさびしそうに笑った。



「そっか……ま、しょーがねぇな。もっと早く言えばよかった」



「うん……ゴメンね?」


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