【完】君しかいらない
起き上がろうとしたけど、腕に全く力が入らない。



意識がハッキリしてくると、体中が強烈に痛みだした。



「……マジかよ。死ぬ……」



右手は動かなかったけど、左手が何とか動いたからポケットからケータイを探る。



……ホッ、これは無事だった。



アイツらは、俺を痛めつけるだけ…ただ、それだけが目的だったんだな。



反対のポケットに入れていた財布は、丁寧に札だけが抜きとられていた。



……なんだ、セコいな。



家までタクシー乗るにしても、金がなきゃな。



……とりあえず、ココから抜けださないと。



俺は周りを見渡し、自分がいる場所を確認した。




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