【完】君しかいらない
蔦田司を追え~奏太side
~奏太side~



ドンドンという、耳をつんざくような重低音が体中に響く。


う~っ、この振動たまんねぇ!


久々にクラブに来た俺は、自分のテンションが異常に高ぶるのを感じていた。


「奏太、俺あっちで踊ってくるな」


一緒に来たダチ…濱地こと、ハマチはナンパの前にまず躍りたいみたいで、


店の中に入るなり、ダンスフロアへと消えていった。


俺は席に座り辺りを見回す。


俺も踊りたいけど……


とりあえず、聞き込みでも開始するか!








適当な相手を見繕う前に、向こうから声をかけてきた。


20代前半ってところ、黒のキャミワンピを着たロングヘアの女。


……おーっ!


前の俺なら飛び付いてるけど、今はもう愛梨ちゃん一筋だからな。


ガマン、ガマン……。


「ねぇ、あっちで一緒に踊らない?」


俺のとなりに寄り添うように座り、妖艶な雰囲気たっぷりに、俺を誘い込む。








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