【完】君しかいらない
「さっき踊ったから、しばらく休みたいんだよね」


俺は作り笑顔を女に向ける。


「そーなんだぁ……」


そしたら俺の太ももに手を添えてきた。


……おおっ、お姉さん、積極的!!


おれはその手を軽く握り、それとなく自分の足から押し退けた。


それでも女は遠慮を知らない。


今度は俺にもたれかかってきた。


「向こうで一緒に飲まない?」


「んー……人待ってんだよね」


「だったら、それまで一緒にいよ」


つい微笑みそうになって、ハッとした。


笑ってるからダメなのか。






ここは、冷たくあしらうか……。


「お前、邪魔。寄りかかってくんなよ……」


女を押し退けようと腕で押したら、


逆効果だったのか、ハイテンションに笑いだした。


「きゃーっ、顔も性格もどストライク!」


うわ、マジか!!










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