【完】君しかいらない
夏休みが明けて
~愛梨side~



波乱に満ちた夏休みが終わり、



新学期がやってきた。



長いと思った夏休みも、あっという間に終わってしまった。



そう思うのに、



色んなことがありすぎて、



あっくんとのこと、奏太くんとのことが、



一年以上前のことのような気もする……。









「愛梨~、鍵忘れてるわよ」


いっけなーい!


昨日外から帰ってから、リビングの棚に置きっぱだった。



学校に行くのに、玄関で靴を履いていると、



お母さんが鍵を渡してくれた。



「えへへ、ありがと」



「えへへじゃないわよー。今日は友達と食事に行くから、遅くなるって言ったでしょ?

鍵なかったらどうするつもりだったの?」



「そうでした!行ってきまーす!!」



お母さんのお小言から逃れるように、急いで玄関の外に出た。











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